滑り止めの必要性

ご自宅に、職場に、公共施設になぜ滑り止めが必要?~ 知られざる転倒の危険性~

滑りやすい床材によって発生する転倒事故のリスクは、日頃の生活で身近に存在します。しかし、実際には転倒して大きな怪我などをしない限り、その危険性に気が付かず何も対策をしていない方がほとんどです。高齢の方になればちょっとした転倒でもその後の生活に大きな影響を与えてしまう可能性があるのです。

1日に26人! 転倒による死亡事故が急増!

転倒による事故死の危険

意外と知られていないのが、転倒は死亡にもつながる事象であるという事実です。平成29年度の調査では、交通事故による死亡者数が年間4,927人に対し、転倒/転落による死亡者数は、何と年間9,150人にものぼります。交通事故による死亡者数は、自動ブレーキなど車の安全装置の進歩により年々減っている一方で、転倒による死亡は、そのリスクに気がついていなかったり、対策を取っていなかったりすることがほとんどで年々増え続けています。

交通事故死者数と転倒・転落による死亡死者数推移

参照元:厚生労働省 平成28年人口動態統計月報年計


高齢者は特に注意が必要

転倒による死亡は、特に高齢になるにつれて増大しています。高齢者は筋力の低下などにより、筋力のある人に比べて転倒する危険性が4倍に高まるという報告もあります。また高齢者は自宅で転倒することが多く、転倒によるリスクに対し、滑り止めを行うなど転倒事故を防止する適切な対策を取っていくことが、不慮の事故による死亡者数を減らすことにつながります。

転倒・転落による年齢別死亡数

参照元:厚生労働省 平成29年人口動態統計


転倒は要介護状態になるリスクが高い

「要介護」と認定される原因は色々ありますが、そのなかで「骨折・転倒」の割合は全体の10%以上を占め、ワースト5に入っています。骨折の主要な原因は転倒であると言われており、特に大腿骨近位部など下半身の骨折は歩く能力を回復するのに時間がかかり、そのまま寝たきり状態になることもあります。また、歩けるようになっても転倒の恐怖から外出しなくなり、急速に心身の健康状態が悪化することも多くあります。健康寿命を長くするためにも、滑り止めなどで転倒防止の対策を行うことが重要なのです。

介護が必要になった原因

参照元:厚生労働省 平成28年国民生活基礎調査


ご家族が介護離職に陥るリスク

転倒事故によって要介護状態になってしまうと、介護のために家族にも負担がかかってしまいます。仕事と介護の両立が困難となり離職しなければならないいわゆる「介護離職」は、毎年約10万人程度発生しており社会問題ともなっています。国や企業は介護離職を減らそうと様々な制度や法律、施設を整備していますが、5年ごとの調査ではほとんど減らずに深刻な状況が続いているのが現状です。

介護による離職者数の推移

参照:総務省 平成24年就業構造基本調査

4人に1人が転倒による労災事故で休業!

転倒災害は最も多い労働災害!

転倒しただけで労働災害につながるというと大げさだと思われるかもしれませんが、実は職場での転倒により休業(4日以上)となってしまう「転倒災害」が多発しており、労働災害(休業4日以上の死傷災害)全体の4分の1を占め、深刻な問題となっています。

高年齢者(55歳以上)は転倒リスクが約3倍に増加!
転倒事故の約6割の人が1ヶ月以上の休業をしている!

つまり、転倒災害は
高年齢者の多い職場ほど人手不足の要因に!

転倒
  • 床に水たまりができる
  • フォークリフトを職場で使う
  • 雨天時に玄関やスロープが滑りやすい
  • 水・油・粉類を職場で使用している
  • 階段が滑りやすい
  • 床面や階段が劣化している
  • 床面に大理石やタイルを使用している場所がある
  • 職場に高年齢者が多い
  • ステップのある場所で荷物の積み下ろしが多い

1つでもチェックがあれば、労災事故のリスクが高いです!

転倒事故で2,200万円の賠償命令!?
問われる施設管理責任

裁判判例事例

転倒事故が起きた際には、管理者責任を問われ賠償責任を負うことがあります。

バリアフリー新法の義務化後、ビルオーナー・ビル管理者・施工管理者・メーカーに対しての訴訟が急増しています。
転倒事故が発生すると事故当時における床の「すべり抵抗係数(C.S.R)」によって管理者の責任が問われることがあります。訴訟事例、判例を見ても滑り抵抗係数が重要視されるようになっています。

事例-1

マットで「足滑った」銀行が敗訴 東京高裁、92万円賠償命令

某銀行で足を滑らせ転倒し、けがをした女性が銀行側に約2,800万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で東京高裁は13日、「足ふきマットが滑りやすい状態だったのに見過ごしていた」として約92万円を支払うよう命じた。女性敗訴の一審東京地裁判決を取り消した。判決によると、女性は2009年8月、某銀行(東京都新宿区)でATMを利用した後、出入り口に敷いていたマットに足を乗せたところ転倒し、頭や腰を打撲した。斎藤隆裁判長は「客の安全を確保する必要があるのに、管理を業者に任せきりにしていた」と銀行側の注意義務違反を認めた。

事例-2

駅ビルで転倒、2,200万円の賠償

JR池袋駅ビル7階通路で主婦(69歳)が転倒、左足を骨折し、左股関節の機能が失われる後遺症が残った。この主婦は、某駅ビル会社を訴え、これに対し東京地裁が『転倒事故は床に油や水などが付着し、滑りやすくなっていたことが原因』として、2,200万円の支払いを命じる判決を出した。

事例-3

コンビニでの転倒事故に支払い命令

大阪市内のコンビニエンスストアで買い物中に転んでケガをしたのは、店側が床を濡れたままにしていたのが原因として、東大阪市在中の女性がコンビニエンスストアに慰謝料など約1千万円の支払いを求めた裁判、大阪高裁は115万円余りの支払いを命じた。

ぜひ「グリップラボ」の床の滑り止めで今すぐ転倒対策を!

滑りやすい玄関や床によって発生するちょっとした転倒事故でも、
本人やそのご家族に大きな影響を与えてしまうこともあります。
そのリスクは、高齢の方だけでなく誰もが人ごとではなく
身近な問題として日々の生活に潜んでいます。
こういった深刻な状況に陥らないためにも、「転ばぬ先の伺」で未然に滑り止めなどで
転倒防止の対策を行っておく必要性があるのです。